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銀の魚を飼う方法・5

「いいわけねぇだろ。……死ぬよりはマシだがなぁ」
「ザンザスは、………」

先の言葉が続かない。自分は何を聞きたいのか、綱吉は逡巡して、結局口をつぐんでしまう。

「……あいつも、まぁ、そのうち飽きるだろぉよぉ。……したら、返してやるぜえ」

そんなことがまだできると思っているのか、とその言葉に綱吉は驚く。

自分の顔を形を姿を、鏡で見たことがないのか知らないのか、誰もそれを彼に言わないのだろうか? 

自分がどれほどザンザスに愛されているのか、この人はまだわかっていないのだろうか。
ザンザスはそれを教えないのか、誰もそれを彼に教えないのか、それは水を得て、肥料を得て咲く大輪の牡丹の花、百花の王たる花は本当は、婀娜で上品、清楚で妖艶、繊細で逞しい傾城の美女を示しているけれども、彼をその花のようだと称しても、おそらく嘘ではないだろう。

愛の力だ、愛の技だ、ザンザスの愛の技術でどれほど美しく、花が咲き誇り枝が見事に張り、栄養に満ちてつややかに笑えることを、そうだ知らないのかわからないのか、誰もそれを彼に告げないのだろうか。

いや、告げる必要などないのだろう。
愛玩犬だとザンザスが、口にしたのが真実なのだ。

広い部屋に閉じ込めて鎖につなぎ、けれど体のどこにも傷も痣もなく、片腕で扱いにくい長い髪もそのままで、素足で出歩いても健康を損なわない室内環境を整え、足の爪をきちんと切ってやることだって、それがすべて、すべての行為の証明なのだ。

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