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にゃんにゃんしたい

とりあえず、一応一通り、やれそうなことは全部やった。
長年一人の男と夜をともにしているのだ、マンネリ防止のためにすることは知れている。というかそれをするのはそれほどやぶさかではない、とスクアーロ32歳、二代目剣帝の名も眩しい男はそう思っている。
どちらの趣味かはあえて言うまい。
出来そうな女装は一通りやった。もちろん双方でやってみたが、絵的に耐えられるのはやはりスクアーロだけだったので、途中からそっちだけになった。まぁスクアーロはもとから着るものにこだわりなどまったくといっていいほどないので、着物だのドレスだのスカートだの制服だのを着せられるのはそれほど、不愉快なことでもなかった。それを着て人前に出るならともかく、寝室の中だけでのことだ。互いが同意していれば、どんな行為も合法なのがセックスというものだ。女装した皇帝も同性愛に耽った支配者も、妹と愛し合ったと思われる党首もいた国だ。そこいらは許容範囲のうちである。

いろんなプレイも試してみた。えげつないことももちろんした。
その中で比較的、仮装は結構ノリノリで楽しめた。
一番気に入っているのは、やっぱり動物の格好をすることらしい。確かに猫耳をつけてみるのは楽しいかもしれない。仏頂面の強面な男の頭にぴょこんと、耳がついているのは可愛らしい。笑ってしまうがそれも楽しい、今自分に尻尾があれば、それこそ楽しく嬉しく動いて、ふにふに絡めてしまいそうなのに。

「衣装倒錯って結構普通だよなぁ?」
「セックスの趣味に普通も異常もねぇ」
「そらそうだ」

そんなことをいいながら耳を舐める。ザンザスはスクアーロを舐めるのが案外好きだ。中でも気に入っているのは耳たぶと乳嘴で、とくに乳嘴は腫れて赤くなるまで吸っていることもある。おかげで性感帯としての修行をみっちり仕込まれて、スイッチみたいに簡単に、スクアーロを興奮させてくれたりする。
頭蓋骨が小さい割にスクアーロの耳は普通の大きさで、そのアンバランスさが結構、ザンザスにはそそるところでもある。そんなところがいい。
趣味は千差万別、その相手によってカスタマイズ可能なのが、人間のフレキシブルで変態なところ。変態ばんざい、どんな趣味でも、寝室でお互いが納得していれば、別にどうってことはない。同意の上なら犯罪でもなんでもない、セックスの内容まで口出しされることはない。

今日は二人で猫の耳をつけて、首には赤と青の首輪をする。手首にも腕輪、足にも輪をはめて、最初はつないでいたけれど、やはり動きにくくて離してしまう。抱き合ったままでつなげてもいいけれど、それはもう少し後でもいい。

「四つも耳あったらすげーよく聞こえるかもなぁ」
「お前の声がこれ以上うるさく聞こえたらたまんねぇ」
「何いってんだよぉ、せめて嬉しいとかいいやがれ」
「おまえの心臓がばくばく言ってるのまで、うるさく聞こえてきそうだな」
「ボスのもだろぉ」
「違いねぇ」

ちゅ、ちゅっとリップ音が耐えず聞こえる寝室の、ベッドの天蓋は降りたまま。
充実してる生活のおかげで、今日も二人は仲良しこよし。

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にゃんにゃんの日!

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