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今夜のプレゼント

スクアーロがいやだ、というのはほとんど条件反射のようなものだ。
本当にいやだと思っているわけではない。
ただときどき、体の反応でいやだ、と口に出してしまうだけなのだ。
わかっているが、今日はなんとなく。
なんとなく、ザンザスは今日はそれを聞いてやりたくなった。
いやだということを全部しないでいてやろう。

だから髪を洗ってやった。
乾かして指が通るまで梳かしてやった。
シャツは力を入れて開かなかった、ボタンは丁寧に一個づつ外した。脱がせたいというので好きにさせた。指先が震えていて、義手にあたってカチカチ音がしたのを笑いそうになったので笑った。
ズボンも下着もひとつづつ脱がした。そしてことさら丁寧に、脱いだシャツの上に重ねた。ベルトも確か同じところに落としたよな?と思いながら。

キスをした、欲しいというだけキスをした。普段の息が出来なくなるような重い深いものではないキスを、唇を舐めるだけの、音を立てるだけの、そっと息を吹き込むだけのキスをした。
我慢できなくなって自分から、舌を絡めてくるまでしてやった。

噛み付かずに吸い付くだけにして、掴まずにしごくだけにして、歯をたてずにころがすだけにして、握らずに揉むだけにした。
握らずに撫で、まさぐり、引き寄せ、胸を合わせてキスをした。足を抱えて奥を開いた。
「もうやだぁ」
ここらへんでスクアーロが先に泣き出した。おかしなものだと笑えば、なんで笑うんだと怒られた。おかしいから笑うに決まってるだろうが、違うのか?
「普通にしろよぉ…」
おまえの普通って何だ、噛み付くようにキスして引き裂くように服を脱がして、指を舐めさせられて口で濡らして育てさせられて、腰を掴んでガツガツ突っ込まれて気絶するまでイきまくることか?
だったらそんなことは全部やめよう、おまえの好きにしてやろう、おまえを好きにしてやろう、おまえを好きだと言ってやろう。どうだ?
「それ嫌がらせだろぉ」
イヤか?

さすがに最後にはスクアーロはイヤだと言わなくなった。
イイとしか言わないスクアーロはどんなケーキより甘かった。
さすがにナターレだな、と俺は思った。

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