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目覚めろと呼ぶ声が聞こえ

YSというかY→←Sかなぁ…この二人の関係ってボスとは絶対違うよなぁ……

一度俺は死んだ。
綱吉が俺を助けてくれて、だから俺は生き返った。
まさに生まれ変わった、んだ。
そう思っていた。

「起きろ」
その声はいつも俺を目覚めさせる。そのままの意味で、それ以外の意味で、それ以上の意味で。
「いつまで寝ていやがるんだぁこのガキがぁ」
一緒に暮らして二日目、スクアーロが存外いろんなことが出来ることを知った。翻って、自分がなんにも出来ていないことを知った。自分がただの子供だったことを改めて自覚した。何度も。
「あのさ」
「ん?」
カーテンを開けて外を見る。太陽の光を浴びて起きるなんて久しぶりだった。
なんだかおかしいな、と思った。
暗殺を生業としている彼が朝の光の中にいて、普通の中学生だったはずの俺は日の指さない地下施設で毎日暮らしているなんて。
なんだかおかしいな、と思った。
「スクアーロはさ、自分が生まれ変わったって感じたことってある?」
だから別にちょっと、聞いてみたかっただけだっていうか――口から出ただけの言葉だったんだ。他意なんかなかった、全然。

「ある」

朝の光の中で白い背中がそう言ったのは、だから凄く、驚いた。

「世界が、…こんな色だったんだ、って思ったぜぇ、……。いままで自分が何をしてたんだろう、これが全部このためだったんだな、って思った」

顔は見えなかった。でもなんだか、ひどく凪いだ顔をしてるんじゃないかと思った。なんとなく。

「全部の俺を肯定された。世界に。全てに、――それでいい、と」

それはなんというよろこびか。

「生まれ変わるのは死ぬわけじゃねぇ。…受け入れることだぁ」

そう言って振り返った瞳はただ深く、青く、透き通っていて、俺はなんだか泣きたくなった。無性に。
「返り血を浴びるのはおめぇだけだ。それがおめぇだ。そんだけだ」
「はは。そうだな、……そうだね」
「そうだぁ」
「酔う自分を知って初めて、酔わない方法がわかるだろぉ。二日酔いと同じだぁ」
「俺まだ未成年だから酒は飲めないよ」
「……そりゃ悪かった、タケシ」

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