Buon Compleanno!!まであといくつ? なんだか最近やたらとみんなが何かくれるなーと思っていた。春だからか?プレゼントはそんなに珍しいものでもない。自分だって行った先で気がつけば、あれこれ買ってくることもある。昔はもうちょっといろいろ買ってきていたが、いつだったかルッスに「アンタのモノの趣味はすんごく限定されてるから、ワタシタチに買ってくるなら食べ物にしてちょうだい。それなら外れがないわ」と言われたことがあってから、なるべく口に入るものに限定して買ってきている。それでも時々、どうしても、と思うことがあって、そういう時は思わず買ってきてしまうこともあるのだが。「スクアーロ」珍しいものがあるものだ。報告書を出しに行ったあと、廊下を歩いていたらマーモンに声をかけられた。「久しぶりだね。どうやら元気そうじゃない」「俺ぁいつだって元気だぜぇ!」アルコバレーノの呪いが解かれてから、マーモンはよく喋るようになった。内容はあまり褒められたものではないが、これは見た目と違うのだ。昔の話もよくするようになった。好き嫌いも素直に口にするようになったのは面白いことだった。確かに少し、体が育っているのかもしれない。ベルがそんなことを口にしていた。「それならいいけど。これあげるよ」「おっ? おまえが何かよこすなんて珍しいなぁ?」「ちょっとした気まぐれさ」すっと目の前にやってきた赤ん坊が、マントの下から小さい手を出す。その手の中にある小さい包みを受け取った。「じゃあね。あ、ルッスが作ったケーキ、出してあるから食べなよ。ベルが戻ってくる前にさ」「おう」まるで義務を果たしたかのように、赤ん坊はふわふわ浮きながら、廊下をすーっと移動していく。珍しいもんだな、と思いながら受け取った包みを眺めた。中身を知りたくて開けると、青いビーズがあしらってあるヘアクリップが入っている。「これで髪の毛止めとけってことかぁ?」時々髪の毛を止めているところを見られていたのだろう。シルバーの金具に青いビーズで魚のパーツが作られている。魚はちょっとアーロに似ている気がする。隊服のポケットにそれを入れて、俺は部屋に戻った。 [1回]PR