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HARUシティ新刊出ました…

なんとか新刊出ました…!
久しぶりにオフラインページに追加してあります。
まだいろいろいじっている最中なので見苦しい部分があると思いますがご容赦ください。
新刊
「少年はそれを我慢できない」A5 P28 頒布価格300円 全年齢
16歳御曹司ザンザスと30代剣帝スクアーロの話。前に年齢差アンソロジーに寄稿した話が元になっていますが書いているうちになんだか影も形もなくなってしまいました。
熱出してぶっ倒れてるスクアーロとそれを気に病むザンザスの話。
少年はそれを我慢できない・表紙サンプル
本文サンプルは折りたたみからどうぞ!
 衰弱していたザンザスは、回復して三日前に退院してきたばかり。スクアーロは手術の翌日に病院を出て、今はヴァリアーの屋敷の自分の部屋で、ベッドの上で指揮を取っていた。
 退院したザンザスは、本部の義父に顔を見せた後、すぐに会いにやってきた。まだあちこちに包帯を巻いていたスクアーロは、ザンザスよりよほど元気がよかっただろう。
「どうしたぁ、御曹司! 顔色悪ぃぞぉ!」
「……まだ寝てたほうがいいんじゃねぇのか」
「大丈夫だぁ! 俺ぁおとなしく寝てるのは向いてねぇからなぁ、ヴァリアーにいるほうが安心するんだぜぇ」
「少しはおとなしくしてろ」
「俺も御曹司もいなかったからなぁ、仕事がすげぇ溜まってるんだぁ」
「俺がやるから休め」
「……どうしたぁ、御曹司? 顔色悪いぜぇ?」
 話は聞いていたけれど、包帯やガーゼだらけで満身創痍のスクアーロの姿に、ザンザスは真っ青な顔をしていたことだろう。スクアーロは無事な右手を伸ばしてザンザスの薄い肩を抱き寄せ、顔を近づけて目をあわせた。
「どうしたぁ? 怪我とかしてねぇなぁ? 御曹司が元気そうでよかったぜぇ」
「…俺は元気だ」
「そうかぁ、だったらしゃきっとしてろぉ。元気のねぇ顔してると、部下がヤベェって思うだろぉ」
「スクアーロ」
「ん?」
「後は、俺がやるから。……おまえは寝ろ」
「そうだなぁ、ボスがそういうならそうすっかなぁ」
 間近で見るスクアーロの顔は、やっぱり少しやつれていて青かった。額や目元に青い鬱血が残っていて、残る傷が痛々しい。
「御曹司が無事でよかったぜぇ…」
 手を伸ばして額の髪を撫でられる。
 その微妙な違和感が、たどたどしい右手の動きにあったと気付けば、スクアーロはゆっくり、ザンザスの腕の中に体を投げ出してくる――のではなくて。
「おい、…熱があるぞ」
「悪ぃなぁ…、ボスさんの前で不調法ですまねぇ」
「具合悪いのか」
「そういうわけじゃねぇ…、熱が…」
 ザンザスの肩に、スクアーロの形のよい頭がもたれかかる。熱い。額に手を当てれば、そこは驚くほど熱い。すぐに体をベッドに横にすれば、一週間前、隠し部屋に連れてこられたときとは、背中の厚みが全然違っている。肩を掴んだ手のひらの下に、ごりっとした骨の感触がある。
 横にしてもスクアーロは全く目を覚まさず、すぐにすうっと寝息を立ててしまう。驚くほど体が熱いのに、額が冷たいのに驚く。
「シャマルはどこだ」
 内線でルッスーリアに問う声が震えているのがわかる。喉が渇く。すぐに医者がやってきて熱を測るまで、何も出来ずにただ右手を握っていることしか出来なくて、視線は反対側の、へこんだシーツの向こうから、一瞬たりとも離れなかった。
 そういえばスクアーロがザンザスの『おねがい』を、何も言わずに聞いてくれたのは始めてだったことに、ザンザスは今頃気がついた。

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