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2013年冬コミ新刊

冬コミの新刊出来ました。
「天国より野蛮」
A5 P36 300円(頒布価格訂正しました。1.11)
裏剣帝様本総集編。ビッチ剣帝様の本です。
「裏剣帝への道100人斬りスペシャル」「裏剣帝への道100人斬りスペシャルおまけディスク」を再録、書きおろしはモブ姦を駆逐する剣帝様ですが色気のある描写がほとんどない下衆ネタに…。






「スクアーロ隊長戻りました!」

玄関脇で詰めている平隊員が内線に叫ぶ。
すぐに指示が飛んでくるのを聞きながら、ディスプレイを確認してスイッチを押すと、画面の中の門が自動で開いた。普段なら平隊員が率先して出ていくものだが、今回はそれを止められていたので席についたまま。内線を一回切って、それからまた別のところに連絡を入れる。玄関にするすると車が入ってくる音が聞こえれば、二階から軽い足音が降りてくる。
ドアを開けて出てくる隊員を、緑の髪のオカマのピンクの指先が押し返す。
出なくていいわ、と呟かれた声は普段とかわりがない。
ルッスーリアは自分で玄関のドアを開ける。
ちょうど車から、スクアーロが降りてくるところだ。

「ルッスかぁ」
「おかえりなさいな、スクアーロ」

ドアを支えていた男がルッスを見上げる。
それを視線で下がらせて、ルッスーリアの手がスクアーロの肩を支えるように動く。

「歩ける?」
「まぁな」
「おなかすいてる?」
「腹は減ってるけどよぉ…今は食えねぇなぁ」

スクアーロの腰に手を回し、ルッスーリアのたくましい腕がそれを支える。
腕を肩に回しながら、ルッスーリアは半分引きずるようにスクアーロを室内に押し込んだ。
重厚な階段ではなく、右手の奥のほうに隠されているエレベーターを使って、三階まで上がる。
ドアが開いた段階で、スクアーロはルッスーリアの肩から手を離した。
足元がまだふらつくが、先に立って自分の部屋に戻ろうとする。
聞きたくはないが、ルッスーリアはこわごわとスクアーロに声をかけた。
必要最低限なことは聞いておかなくてはならない。

「ボスに報告は」
「シャワー浴びてからだぁ」

スクアーロの表情にはそれほど影はない。
見えるところに怪我もないが、前髪をかきあげた手首にはひねった赤い跡が見えた。

「残留物の検査する?」
「あー…そうだなぁ、してもらうかぁ。キットあるから採っとくぜぇ」
「回しとくから出しておいてちょうだい」
「そうだなぁ、頼んだぜぇ」
「怪我はしてないの?」
「顔は殴られてねぇぞぉ」
「そんな心配をしてるんじゃないけど、……でも顔を殴られなかったのはよかったわ」
「ボスさんに怒られるのはごめんだぜぇ」
「そういうことじゃないでしょ」
「ボスさんすげぇ面食いだからなあ」
「だからそういうもんじゃないでしょ!」

その話は切り上げだ、と言わんばかりにスクアーロが手を振って自分の部屋に向かう。
はぁ、ため息が漏れるのはいつものこと。
最近はこういうことがなくなったから迂闊だったわ、ルッスーリアは少しだけ後悔する。
けれどそれは一瞬のこと。
このことをどうするのかは二人の間だけのこと。
けれどその結果は自分たちの毎日に関係する重要なこと。
それを少しでもよくするために自分が出来ることを、すばやく脳内で組み立てる。
とりあえず今日レヴィがいなくてよかったわ。
彼がいたらもっと困ったことになっていたのかも、そう思いながら踵を返す。
帰宅の連絡はもうボスに入っているだろうから、あとは後始末が大事。
本当に最近はこういうことが少なくなったから忘れていたわ、あのこは生き延びるためには何でもする子だった。彼の王、彼の神、彼の光のたもとに生きて戻ってくるためには、何を犠牲にしても構わなかった。そんなことばかりしていた時期もあった。

それももう昔の話。

ルッスーリアは談話室に戻る前に内線で部下に詳細を聞く。
部下の連絡はいくぶん端切れが悪い。

ああ、たぶんボスはかなり機嫌が悪そうだわ。
明日の朝食は荒れるかもしれない。もしかしたら出てこないかもしれない。

それでもまぁ、この程度の嵐など、たいしたものではない。
休日にふたりきりで出かけることは珍しくもないし、そんな時の二人の指には、揃いの指輪が嵌っているのだから。

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