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いい加減慣れるよね

REBORN腐向け深夜の真剣文字書き60分一本勝負 第1回め「慣れ」
気が付くと手が勝手にザンスクにしてしまうので後でもう一本書いたもの。
時間内にオチまで書くので割と尻切れトンボ



「痛い」
「いやぁねぇ朝からずいぶん機嫌ワルいじゃないスクちゃん」
「センパイの唯一の取り柄くらい俺たちにサービスしてもいんじゃない?」
「傷が残ることになると本当にボクの財布に響いて困るから気をつけてよね。いい医者紹介しようか?10ユーロで」
 
スクアーロは朝が強い。朝からテンションマックスで元気なことが多く、よほどのことがない限りはいつも朝早くからどこから声が出るのか不思議なほど大声で元気よく動き回る。余程のことがないかぎりは。
今朝のスクアーロは機嫌が悪かった。最近よくある「余程のこと」がまた昨夜あったのだ、と約一名を除いた全員が察することが出来るくらいには。

「センパイどうしたのそれ飲まないの朝からしぼりたてのジュース飲むの習慣でしょ?もしかしてどっか悪いの」
「ベル、それは口に出さないほうがいいんじゃないのかい」
「マーモンがシモネタ言うとはびっくりした!」
「やめなさいよ朝から」
「意味わかんねーぜぇ。口の中切ったから染みるんだよ」

そういうスクアーロの口調はいくぶんくぐもっていて、額に赤くなった打撲痕、鼻の頭にすりむけた打撃痕、パジャマ代わりの七分袖のシャツの二の腕には真っ赤な鬱血跡があるのを幹部全員が素早く確認して、なるほどまた一戦交えたのか、と納得したものだった。
一戦はどちらの意味だろう? と一瞬考えた彼等の中で、バトルと取ったものとバトル&アフェアと取ったものとにきっちりとそれはわかれた。
後者と受け取ったのはルッスーリアだけだったのも、それもいつものことだ。


「そりゃ大変だ! 血出た?」
「出たぜぇ。口内炎出来ると困るんだよなぁ…」

不平を漏らすスクアーロは心底ダルそうに焼いたクロワッサンをちぎった。小さく小さく、まるで深窓の姫君のように小さくちぎって、小鳥のように口を開けて、やけに上品に食事をするのだ。
まーボスと殴り合いの喧嘩したらそりゃーだるいよね! とベルフェゴールは納得したし、マーモンはこれでしばらくスクアーロの隠し撮りの写真が売れなくなるじゃないか、いやいやこういう顔のスクアーロもそれはそれで?需要あるかも?などと思いながら得意先を思い浮かべて皮算用に忙しかった。

「熱いスープとか飲めなくなるわねぇ。固いものも難しいわ」
「まーなんとか食べるからそれは別にいいんだけどよぉ」

一応少しはそれっぽく対応してみる姿勢を見せようかとルッスーリアが口に出すと、スクアーロはあまりそれに食いついてこない。それはスクアーロにとって、あまり大きな問題でないらしい。

「それよりもボスさんがうっせーなぁ…」

へぇ、スクアーロの言葉はあまりにさらりとしていて、その場にいた四名(レヴィ・ア・タンも当然そこにいた。彼は昨夜遅くに戻ってきたばかりであまり寝ていなかったのだが、空腹に耐えかねて朝食を取りに来たのだ。当然半分は寝ていたので、会話にほとんど参加しなかった)は聞き流してしまっていた。
スクアーロの話はほとんどがどうでもいい話で、それ以外の実のある話も実のない話もほとんどがボスの――ザンザスの話なので、皆それに慣れていたのだった。
だが、他の話ならともかく、『ボス』の単語で半分寝ぼけていたレヴィ・ア・タンが覚醒した。

「ボスが何故おまえの口内炎ごときで文句を言うのだ」

ことボスのことになると天才的な判断力を発揮するレヴィ・ア・タンのツッコミに三名は目を見張った。意味を解釈しようとそれぞれが脳内でツッコミを開始する前に、スクアーロは懸命口の中の痛いところを避けて食べていたクロワッサンをひとつ食べ終わり、水を飲んで口を湿らせていた。

「キスするからだろ」



――――――――――――――――――――――――――――――――

「あれってもしかしてボスの性癖カミングアウト?」
「そうかもしれないわね」
「キスするから口内炎がいやなんだろ? 違うのルッス」

食器洗浄機に皿を入れながらルッスーリアはニヤニヤしているが、食後のジュースのおかわりとデザートを食べている王子と赤ん坊は普通の態度だ。最近スクアーロが朝テーブルで、ザンザスとの夜のことを無自覚で口に出すことがあるのだが、それは概ね喧嘩やそれに準ずる内容なので、二人はそれをそのまま受け取っていた。

「そもそも原因はボスかもしれないわね」
「喧嘩した時にぶつかってヘマしたんじゃないの?」
「そもそもスクちゃんのあの傷だって、全部が喧嘩したものなのかあやしいわね」
「え? どういうこと?」
「セックスの時にパートナーを噛む趣味のひとってけっこういるのよねぇ」
「え?」
「ボスが噛んだのかもしれないでしょ」
「なにを?」
「口内炎の原因よ」

ベルと赤ん坊はスクアーロの怪我は全部、昨夜いつものようにボスと何かが原因で喧嘩して、いつものようにスクアーロがぶっ飛ばされたり殴られたりしたせいだと思っていた。
けれども。

「噛んだの?」
「噛まれたのかもね」

どこを。どうやって。どうしたらそんなことが。どこを?

「あー」

赤ん坊と王子は同時に声をあげた。

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