悪魔のお城の悪魔の王様・3 外側をシリコンだけ巻くのでは重過ぎる。骨組みはチタンにマイクロファイバーを編みこんで、薄く延ばしたシリコンを重ねた間に緩衝材を薄く、薄く伸ばして挟み込んでいる。透明度は必要ないが、伸縮度が微妙に違う材質を張り合わせるのは案外骨が折れたらしい。あんまりしっかり固くても駄目で、関節のところで曲がる必要がある。普通の手ほど曲がらなくてもいいけれど、不自然にならない程度には、ゆるく。爪の先まで再現されたまがい物の指の中はコードとパイプ、仕掛けに電気は使わない。電動の仕掛けは案外誤作動を引き起こしやすい。最近は赤外線がそこいらじゅうに回っているのだ。歯車もできるだけ少なくして、シャフトは頑丈に、故障は最小限に。中身を取り出して点検出来ないので、丁寧にしつらえる。全体の重量が少し増えた分、肘に補助の固定具をまわして、重みを分散するようにする。左のほうが筋力があるのは確かだが、あまり負担が増えてもよくない。軽くするのと頑丈にするのは正反対な要望だが、彼の「仕事」を考えれば、それは必要最低限な機能。幸い金銭面に関しては、何を使ってもいいといわれている。「確かにちょっと重いなぁ」「動きはどう」「んー? なんか、少し、重心が…」「どっちにずれてる?」「前…かな」エンジニアは偽者の手を握って、マジックでしるしをつける。ここらへん? いやもう少し前。ここらへん? あと少し。5ミリくらい。 ここ? あと2ミリ右ってとこかなぁ。小指の角度を少し内側に削って、人差し指が少し短く。腕の接続部分が動かすとずれるからなんとかしてくれ、そうだねそれは内側を少し削ればいいかもしれない。腕、痛くない? 材質にアレルギーが出るかな?新しい義手は前のものより少し長い。柘榴との戦いでもぎ取られた腕の分、左手の手首から少し先までの前回とは、そのぶん少し重くなる。「義手が重い分、剣を軽くするか、短くしたほうがいいんじゃないのかな。肩と背中に負担がかかると、今はいいけど、そのうち腕が上がらなくなると思う」「そうだなぁ、考えてみるぜぇ」「幸い、ドン・ヴァリアーは資金に糸目をつけるような人じゃないみたいだし。特にアンタには」「そうだなぁ、切れない刀に価値はねーだろぉー」「そういえば日本の刀って」「ん?」「途中から武器としての意味よりも、持ち主を災いから守るって意味のほうが強くなったって。魔物や悪霊や不幸や間違いを断ち切ることが出来るから、ってんで、子どもが生まれたら、守りの刀を作ったりしてたらしい」そんなことを言うメカニックに他意はないように見える。見えるがしかし、若い外見でもミルフィオーレのメカニックとして、そしてチョイスの参加者として、ものを作ることにかけては比類なき才能の持ち主。プロトタイプのモスカのデータのオリジナルを持っているヴァリアーの倉庫の中で、ニュータイプのモスカの実用実験をするための機体を作っている日々。それはどちらかというと「オマケ」の用事。プロトタイプモスカのデータと毎日のおいしい食事と引き換えに、ドン・ヴァリアーがドン・ボンゴレに請求したのは、副官の義手の新規製造とメンテナンス。本当は、そのためだけに呼び寄せたメカニックエンジニアを、もっともらしい言い方でこの暗殺部隊の屋敷に出入りできるようにさせただけ。機密漏洩の意味も含めて、エンジニアはその間中、本部でほぼ軟禁されているような状態。けれどスパナはそれを嫌がるわけでもない。モスカを作れるならどこでも実はどこでもかまわない。ドン・ボンゴレのイクスバーナーをコントロールするコンタクトレンズはほぼ完全版で、細かいバージョンアップくらいしかすることがない。それよりも今はドン・ヴァリアーの持つ憤怒の炎のほうが興味深く、それを身近で観察できる今の環境のほうが、メカニックには好ましい。さらに三食おいしい食事が出てくるのも、仕事に関しては文句を言われないのも、実はボンゴレよりもこちらのほうが、スパナにとってはいい環境でもあるといえる。入江正一はドン・ヴァリアーが怖くて、滅多にやってこないのが唯一の難点だけれど、声もデータも連絡も、毎日しているから、スパナにしては問題はあまり、ない。快適すぎて最近、体重が増えてしまって困るくらいだ。「日本の刀の切れ味は確かにいいよなぁ。細い分、折れやすいのが難だがなぁー」「使ったことあるの」「あるぜぇ。1本くらいはあるんじゃねぇかなぁ」「持ってるの」「小刀と、あと長いのがあるはずだったけどなぁ…」「へぇ。使えるの」「何度かなぁ」「どうだった」「使い勝手かぁ? それとも、切れ味かぁ?」「使い勝手のほうがいい。切れ味は知ってる」「それはどんな意味でだぁ? 俺が知ってるのは一つだけだぜぇ」「…そうだね、ウチ、それは知ってても意味ないから、…別にいい」「そうかぁ」縁起の悪い話をさらりと、しながら新しい義手の具合を確かめる。スクアーロの腕の先に繋がれた義手には、まだ計測コードが繋がっているが、動きはスムーズだ。「いつ治せる?」「これから削るから夜にまた来て」「いいぜぇ」さばさばした気性の副官は、案外誰とも相性がよくて、技術的なことにしか興味のないメカニックの会話もきちんと、繋がっているように聞こえる。実際はどちらも、自分のことしか興味がないのだけれど。「そーいえば前から気になってたんだけどよぉ」「なに」「首のそれ」そういって、珍しく素手の右手で、目の前の男の首筋、ツナギの襟の間からちらり、見えるうなじに手を伸ばして。「どういう意味なんだぁ?」頚動脈の上、急所に刻まれた刻印のようなかたちの紋章に、長い形のいい指が触れる。「これ? んー、目印かな、一応」「目印?」「うちの癖、ここ触るの好きだから。目印、つけておくといいかなと思って」「? 意味あんのかあ?」「一応、うちの家の、紋章、のつもり」「家紋ってやつかぁ? じゃあおまえんち、わりとイイウチなのかぁ?」「一応会社やってるから。会社のマークは違うけど、家の紋章の中にこれがある」「へー」すっと手を離した右手をちらりと目にして、あ、そういえばこの手、ウチの息の根なんか感嘆に止められるんだっけ――ということに、スパナはようやく気がついた。やけに綺麗に整っている爪先が、磨かれてキラキラ光っている。 [12回]
やばっ 鼻水止まらない本格的に風邪引いたっぽいだるい通販も原稿も放置して寝ます…すいません…がっくり表紙にラミネートかけようかと思ったのに立ってると目が回るから無理だ----------------------------------- 問い合わせについて [2回]
それ突っ込むとこ耳じゃないだろ 先週読み逃したのでどーなることかと思ったのですがなんとなく意味が通じた。というかすげーなシモン、女子の攻度が高すぎるぞ!シットたんすげーナイバでバインバインでプリけつでどうしようかと思ったぞ!んでもってごっくんにピーを突っ込むとこ、人前だから一応耳とか言ってたけど、本当は別の穴に突っ込んでやりたいんだろ?なんたって彼女は沼ガール!発酵ってちょっと女子としてどうなん?と思わないでもないが、発酵してるってことは彼女は腐女子てことだよね……!!!ステキ!なんてステキなのpたん! 惚れるわー! そしてごっくんがさりげなくストーカーなことを指摘してくれてありがとう…ツナがアレでコレでそれなのはみんなわかってるからさ(にこやかに)。しかもそれでもそこがいいってあたり、ちょっとアニメのGの試験がネガポジでベースにあるみたいな気がする。あれはツナにとっての「理想の右腕」ってなんだ?って話だったもんな、確か。いやーむちむち女子の形のよいおっぱいやむっちり太股を押し付けられても反応しないから、獄寺おまえガチゲイ疑惑がかけられるんじゃねーかよ…とちょっとマジに思いました。まぁ実際そうなのかもしれないけどな。まぁ、隼人だしな!☆どうでもいい隼人な豆知識☆-------------------薩摩隼人と呼ばれた明治政府の立役者のひとつ、鹿児島藩はその武士の師弟の教育の仕組みがかなりガチゲイなシステムで(それが鹿児島藩の強さに直結してもいた)そのため衆道(男色)で大変有名な国でありました。東京帝国大学の学生寮でも、地方出身の可愛らしい下級生を襲って手篭めする風習があったりして(やはり鹿児島や長州出身が多かったらしい)、風紀が乱れて困る…との話が当時の雑誌に載ってたりするのでした。手篭めにされた下級生は心痛で実家に帰ってしまった人もいたらしいです…。帝国大学が作られて全国の上流階級の野望に燃えるインテリが一同に解したことで、全国の風俗が一気に交じり合うことになり、その中で衆道をベースにした鹿児島の上下関係は当時、非常に大学寮で流行ったらしいです。「男同士で旅行する」ということが当時最先端の風俗だったり。実際明治の文学者調べるとやたらと男同士(二人だけで)で旅行に行ってる人、多いしねー。実は「友情」という概念は明治時代まで存在していませんでした。なのでこの関係を「友情」であると当時の人は理解したようです。どうでもいい豆知識終わり----------------------ツナが赤くなってんのは普通の中学生の反応だよね。敵だろうがむちむち女子に抱きつかれてギャー!って思わぬ中学生はおらんじゃろうよ…。んでもってこんな中学生にボスが…と思うとちょっとぐぎぎぎぎぎ…となるんだがそれ言ったら(ry)いやーもうPたんがよくぞ言った! という感じでウハウハです。翻弄してやれごっくんを。ごっくんは未来行って戻ってきて、一番性根が座った感じですな。成長したというか。そういう意味では彼も山本も、大切な人を失うという経験を擬似とはしてしたんだよな~~と思うと感慨深いですな。ジャンプの主人公って実は伝統的に何も失わないんだよねー。その代わりに脇役はがんがんいろいろなものを失うんだけど。他のマンガはバクマンの人気帳票の結果に笑いました。平丸せんせぇ…!(笑)なにそのおいしさ!!ひどい!!あと助っ人の女装の可愛さが反則です。日本人の場合、大抵女子→男子のほうが違和感ないんだよね。骨格的に。男子高校生ならあるある。椿が普通に可愛くてたまらん。これアニメになったらおもしろそーだよなー、普通に!ほけがみは毎度ながら本好くんの辛辣さがパねぇです。美作以外心底どうでもいいのね…この子もいろいろおかしい子だよww美形なのにwww先生が携帯をちゃんと使えるようになっていたのに驚きました。そしてめだか匣のぱんちらはなぜ毎回ありがたくないのだろうか…このマンガ、パンチラより男子のサービスカットのほうが滾るのは何故だろうwwでも女子の乳がすばらしいです。凄く固そうですが。サイレンはもーすぐ終わるのかなぁ…弥勒たんがおいしい。つまり彼って兵部恭介(@絶チル)ってことよね。鰤はすっごい久々な石田であった…そして普通のコマ割り!すごい!1Pに7コマもある(笑)wwwなんて珍しい!!!いやーWJってワンピがないと10円安いのか…とか言っちゃ駄目ってことですかね [4回]
今日もいい夫婦の日だから! ということで無理やり感満載のいい夫婦の日小話1本と、22日でサーバー契約停止と同時にサイト停止になったところを削除しました。最後の話を確保できなかったのが心残り…ぐぎぎぎぎ。今回の話なんかマンガで書けば1枚くらいの話だよねー(笑)、と思いつつ書いてました。お姫様抱っこのスクたん。普段は荷物抱きだけどな。特別扱い。げふげふ。王子はバカップルのいちゃいちゃに別になんとも思ってない感じ。まぁフツーに「オヤが仲良しなのはいいっことじゃね?」みたいな。オヤか。オヤなのか。WJ買ったのに布団の脇に持ってくるのを忘れてしまった…もう寒いので布団から出たくない…。今週は獄寺が大変受け受けしいという話なので楽しみです。10年後の剣帝さまは人妻オーラタダ漏れなのに10年後獄寺はなんであんなにガチゲイくさいのだろうか(笑)。あ、新作グッズの下敷きが大変でした。まぁ大人には無用の長物の最たるものですが(笑)。だってあの顔の上にボールペンでぐりぐりとか無理だろ!!下敷きはフツーにザンスクでしたよー。めおとwwあー早くスクアーロの出る場面にならんかな…と冒頭の導入部分を飛ばしてスクたんを書きたい衝動と戦っております。馬も燕もいらんし!なんで出した俺!リボコンレポをぐるぐるいろんなサイトを回って読んでいますが(自分のレポの勘違いをいろいろ訂正したい…OPで歌った曲が「ListenToTheStereo」だった…)どこでもことごとく池田ボスと中野レビたん(一日目)に持ってかれてて笑ったwwまぁしょうがないよね…ボスは大変なものを盗んでいきました的な……それはあなたの心です的な…まぁそんな感じですよ。しょうがないですよ、あれは。今もラストのボスの歌を思い出すとゾクゾクするもんな~~!!きなこさん、レポ本楽しみにしてるよ!!>圧力 [5回]
通販について 秋の感謝祭りの返信は終わっております。まだ詳細が届いていないという方は連絡くださいませ。発送が遅くなっていてすみません。通常通販は入金確認が出来たものから発送しています。都合で16日以降の確認が取れていないので、月曜に確認して発送できるものから発送しております。在庫の印刷は全て終わりましたので、後は製本が終わったものから発送にまわせると思います。本の装丁の関係で、「全時代的目撃談」と「犬が西むきゃ尾は東~」に、手間が少しかかるため、お時間をいただいております。すみません…!今日こそジャンプ買わなくては…。あっけしからんボスと剣帝さまのマウスパッドが出ますよ~CGCの白スーツってなんかやけに夫婦感高くないかというか十年後スクアーロの人妻感パねえ十年後スクアーロマウスパッド十年後ザンザスマウスパッドもう予約始まってるんだよねリボコロ最強のカルネヴァーレ4BLUE [5回]
悪魔の城の悪魔の王様・2 「はぁーい! こんにちは! 今日も来たのね、メカニックさん」「今日、なに」「今日はスコーンよぉ! アプリコットジャムとレーズンバターとけしの実入りよ。タルトは三種のベリーでちょっとスパイシーに決めてみたわ」「どっちもおいしそうだ」「ちゃんと手を洗ってきねぇ!」「うん」男は胃袋で捕まえるものよ、なんといってもベッドとキッチンを掴んでいれば、男なんていくらでも捕まえられるものなの。それが身上だと豪語する陽気なオカマの腕は確かで、実はこっそり、別名で書いているブログが評判になって、お菓子の本も出したことがあるのだ。ヴァリアーの幹部たちはその事実は知ってはいるが、その本を見たことはない。本になど興味はない、実物が目の前にあって、毎日その実物を食べられるのだから必要などないのだ。最近そのカフェのテーブルに増えたのは、ボンゴレの本部から出向というか研修というか、勝手にやってきた毛色の変わったメカニックの青年。あまり表情が出ないのんびりとした顔立ちの、けれど性根は見た目以上に闇に染まっている背の高い細い体の男。ヴァリアーに所属する隊員は誰も、一応は至急される上下を身に着けているのだが、彼は黒と白の集団の中でただひとり、カーキのツナギで建物の中をうろうろすることを許された人間だ。ヴァリアーというのは奇妙な集団で、基本的には何もかもが自由であるように見えるけれど、そのくせ、内部規律はボンゴレの本部よりよほど厳しい。失敗=死であることが現実的な場所であるからには当然かもしれないが、それにもまして、生活の取り決めが案外細かいのに、最初スパナは驚いた。朝は9時、昼は12時、夜は7時に、屋敷にいる限りは幹部は全員、ダイニングへ集まって食事をすることが義務付けられている。屋敷にいる限りは、よほどのことがないかぎり、食事の時間には絶対に参加しなければならないらしい。さらにそれ以外に午後3時にはお茶の時間があり、これもその時間にダイニングに行けば、暖かいお茶とお菓子が準備されている。仕事をしていても休憩を取ることをすすめられ、必ずカフェの一杯でも飲むように、と促されるのだ。食事が人生の楽しみたるイタリアンの端くれでもあるエンジニアは、その休憩の意味もよく理解していた。3時間ごとの休憩は仕事の区切りでもあるが集中力の限界でもある。それ以上長時間を休憩なしに仕事をしても、能率はあがるどころか下がるばかりなことも知っている。脳細胞に炭水化物を与えなければ、どうにもならないことを知っているから――自分で、その成分をすみやかに補給できるようにと、飴を作って食べたりしてもいたのだが。「どうかしら?」「すごい、ルッス、うまい」「今日もよく出来てるなぁこのタルト」「生地ちょっと替えてみたのよぉ~、今日はソースをゼラチンで固めてみたわ」「もいっこちょうだい」「ウチも」「お替わりもあるわよ」ちゃっかり、幹部専用の談話室のテーブルの、蛙の幻術師の隣に座って、跳ねた髪のエンジニアが皿を差し出せば、そこにもう一つ、ベリータルトが乗せられることになる。隣の少年もその隣の王子も、目の前のタルトに大喜び。それを向かいの席で眺めている銀髪の副官は、なんだか妙な風景だと思いながら、器用に一口に切られたケーキを口に運んだ。利き腕でない手だと気がつかないほど、その動きはスムーズだったが、さすがに片手ではケーキを切る分けることが出来ない。前は皿を肘で押さえてケーキを小さく切っていたことがあったけれども、上席の赤瞳の王が、あからさまに不愉快そうな顔をしたので、それ以降あまりそのようにしては食べないように心がけるようになった。ルッスーリアも心得ていて、スクアーロの分だけ、一口で食べられるよう、出される前に切り分けてある。人前では完璧なマナーで食べることが出来るが、それはそれ、家の中でもそれを貫くのはいささか今は骨が折れることであるだろう。「気に入ったのかぁ?」「ん?」「おめぇ、思ったよりヴァリアーにあってるぜぇ、スパナ」「ウチもそう思うよ」「ハハ、そうかよ」もぐもぐとタルトを切り分けながら、スパナはスクアーロの言葉に返事をする。当初ヴァリアーにやってきたより肌の色艶が段違い、少し体に肉がついてきて、細い不健康そうな体は、がっしりした技術者らしい体に変わりつつあった。「ヴァリアーはご飯おいしい。ウチの好きな日本食もおいしい」「まぁうれしいわ! もっと褒めてちょうだい!」「いくらでも褒める。ルッスのごはん、すごい。こんなおいしいご飯、食べたことない」「おめーよっぽどひどい食生活してたんだなぁ!」「イタリアンの名折れよぉ~スパナちゃん」「食べた分はちゃんと仕事するって言ったけど、返せるかどうかわからなくなった」「俺の手はそんなに高くねぇぜぇ?」「そんなことない、と思うけど……。うん、でも同じくらいかもしれない」「それって私が高いのかしら? スクちゃんの手が安いのかしら?」「ウチ、自分の技術を安売りはしない主義」「まぁ、それは嬉しいわね!」褒められて、オカマはピンクのハートのエプロンを翻し、うふふと笑いながら自分の分のお茶を飲んだ。「俺の腕ぁいつ出来るんだぁ」「外が固まるのに時間かかったけど、中のギミックはもう組んであるよ。明後日ごろには組み込み終わるから、そしたらつけてみて」「わかったぁ」-----------------------------------だらだら続きそうなのでこのあたりで [13回]
悪魔の城の悪魔の王様・1 三度三度のおいしい食事はさすがの不精な習慣も変える。口は何より、頭に通じている。頭は体の中で、一番エネルギーを食う重要な機関。体が動かなくなることはイコール、頭が動かなくなること。指先の精度、思考の速度、それを高めるのは何も、日頃の訓練や技術だけではない。「ショーイチ、ウチ、このままここに住みたい」「何言ってんのスパナ!」「だって、ココ、ドルチェうまいんだもん」「それが理由なのかよ!」「頭、すっごい回るんだよ。ショーイチも一回、ルッスのティータイム、来るといい。話しとく」「僕が? ヴァリアーに?」「うん」「無理無理無理無理! 絶対無理! スパナ、僕を殺す気なのか!?」「絶対無理って言うなって、ショーイチいつも言ってるじゃないか」「それとこれとは、」「別じゃないよ。楽しいよ」「スパナ、それは」「ウチ、しばらくこっちにいるから。じゃあね」「スパナっ! ちょ、スパナってば!」ボンゴレの本部からヴァリアーのアジトへの直通回線は、無常にも向こうから切られてしまう。ヴァリアーの通信回線は非常に高度なセキュリティがかかっていて、一回アジトから回線が切られると、同じ回線をしばらくの時間、使うことができないようになっている。直接スパナの携帯に電話をするしか方法がないが、スパナのことだ、携帯の充電など忘れているに決まっている。あとは、直接、連れ戻しに行くしかない。「あそこに行くのか…? 僕が…?」入江正一はそういいながら、すでにキリキリと胃が痛み出していることを感じていた。独立暗殺部隊ヴァリアーの噂を聞いたことがないわけがない。入江はミルフィオーレに潜入していたころは日本方面を主に担当指揮していたが、イタリアの情報も全て把握していたのだ。ボンゴレの本部を破壊した後もなお、存在が確認されていた彼らのことが、全てが終わった後になっても、正一には少し苦手だ。向こうも彼を快く思っているとは考えにくいだろう。「うう…、胃が痛い…。僕がいったいどうやって、綱吉くんに許可を貰えばいいんだ…?」正一はぶつんと切られたテレビ電話の画面を眺めて、はぁっとため息をつくばかりだった。-----------------------------------リボコン終わってから異様に回るので少し吐いてみる結局今週のジャンプ読んでないまま次が出るわー [13回]
風邪…だと… シードルってアルコール2%だから大丈夫だよね!…と思ってほいほい飲んで眠いから布団に入って寝て起きてPCつけて作業してそのまま転寝して寝ておきたら喉が痛いのです。二日酔いかしら…と思いましたが一日たって夜になっても喉が痛いのです。風邪…だと…?いやいや気のせい気のせい!気がついたら今週のジャンプ買ってねぇあれ? 日曜日に買い物に行ったきりどこにも行ってないのか月曜日に郵便局行ったきりどこにも寄っていない?あれ??もう明日木曜日?あれ??リボコンの余韻で相当なにかぶっ飛んでいるようだ通販の再版と印刷は毎日してますが月曜日に作った分全部終わっちゃった…あれ?えーとあと何冊印刷すればいいかな…ひーふーみー…あれ足りない^q^…紙一箱買ってきます今アスクルの出してる紙が気になってる少し厚くていいらしい(レーザー使いの友人に言わせるとアスクルの紙はすげー詰まるらしい。でもホームセンターの紙よりマシだとか)あっもうアスクルじゃないんだよね 前は個人向けもやってたけどこの前どっかのサイトと一緒になったんじゃなかったっけ…アスマルだったアマゾンより紙の色が綺麗でも厚い紙使うと製本限界が ページ数2割は減るね [3回]
俺のカス鮫がこんなにかわいいわけない・2 やっちまった……!!!ザンザスは久しぶりに後悔というものをした。彼は滅多にそんなことをしたことがないように見えるが内実は結構後悔というか痛恨というか必殺の一撃を食らったことを何度も何度も反芻して後悔したり後悔したり後悔したりすることが結構多かった。完璧な無表情と元から感情を表に出さない性質と、それから長年の帝王学やそのほかもろもろが彼を無愛想で無表情で不機嫌な御曹司たらしめんとしたが、而してその内実は実に繊細で叙情あふるる一青年に過ぎなかった。本人がそれをあまり認めようとしてなかったし、そもそも彼の求める相手がそれをほとんど察することが出来なかったせいもあるだろう。やってしまった。ザンザスはがっくりとうなだれて傍らで転がっている白い薄い体を見た。背中に浮かんだ汗に長い髪が濡れて張り付いているのが見えた。ごろんと転がって、すうすう気持ちよさそうに寝ている小さい形のいい頭を見た。あたりの惨状にはとりあえず目をつぶった。畜生このカスザメが今日は妙にカワイイ顔してるのがよくねぇんだ、なんでこいつはこんなにカワイイ顔してやがるんだえええ? 俺の目がおかしいのか、キラキラしてて目があわせられないじゃねぇか、なのに一分でも多く見ていたくてしょうがねぇのはどういうわけだ、まったく俺はどうかしてる。まったくもってどうかしていた。かわいいカワイイアホでバカで美人でかわいくて脳みそが足りなくてかわいくてしょうがなくいカスザメは今夜も無防備な格好で部屋にやってきて酒を飲んでザンザスにしなだれかかってきた(ように思えた)。この酒おいしいなぁ~と言いながら、今年の新酒のシーズンに出回り始めたワインを楽しそうに飲んで、つまみを少し食べて、けらけら笑ってソファに頭を乗せて、ザンザスを見た。見上げた。長い睫毛が少し濡れていて、そこに少し落とした明かりが反射してものすごかった。何がってスクアーロが凄かった。なんだあれは神話の女神か伝説の美女か、それともルーブルに強奪された神の使いか、天井に舞うバラの花びらもかくやの美しさだった。とにかくむちゃくちゃ綺麗だった。心臓が止まった、これはもう絶対に一回か二回は軽く止まった。けれど表面は全然、そんなことがないように見えた(少なくともスクアーロには――スクアーロはかなり雰囲気に酔っていたので、普段から少ない空気を読む能力が完全に欠如していた)。完全にキスを誘われていたのはわかったが、しかしザンザスはそこで、はたしていままでどうやってスクアーロとセックスしてたんだっけ?ということを思い出せなくなっていた。本当に真っ白になってしまって、いままでこんなかわいい男とどーやってあれやこれやあんなことやそんなことをあはんうふんあんあんをしていたのか、思い出せなくなっていた。どういうことだ。スクアーロがこんなにかわいいことと何か関係があるのだろうか。いきなりこのカスザメがキラキラしたりするのとこの突発的な記憶喪失は関係があるのだろうか。ザンザスはそんなことを一瞬考えたが、しかしまるで毎日の習慣のおかげで手足も指もスムーズに動いていたので、ザンザスは習慣てすげぇ、と内心思ったのだった。そんなこんなであはんうふんな雰囲気になったのはいいが、とにかくカスザメがかわいくてかわいくてかわいくてなんだかもう滾って滾ってそうがないので、ザンザスはスクアーロをベッドに押しつけて、うつぶせになったスクアーロの体をガツガツ容赦なく扱った。最近はそんなことをしていなかったのでスクアーロはなんだかうまくあわせられず、しかしそのせいでこれまた絶妙に感じてしまったらしく、声がとにかくエロくていやらしくてどうしようもなかった。顔なんか見なくても限界突破しそうだった。というか顔なんぞ見たら非常にやばいのではないかと思うほど、それはそれは危険きわまりない状態になった。ヤバかった。顔を見たがってキスをしたがる頭をシーツに押し付けて、背中からガツガツ突いて抉って揺らして出した。俺はセックスを覚えたてのガキか!と自問したくなるほど酷かった。おかげで三度目が終わったら、スクアーロはうんともすんとも言わなくなっていた。最後は泣き出して、でも結局止められなくて、手を振り払おうされるのか、引き寄せられたのかわからない状態になって、ぐちゃぐちゃでどろどろになってしまった。あんまり静かなので引き起こしたら半分気絶していて、それでも体は反応していて、なんだかもうたまんなくなって抱きしめたらすごい勢いで絞り取られてひとたまりもなくなってしまったりした。ものすごく気持ちがよくて気持ちがよくて、それでもってようやく気がついたら、スクアーロは完全に気絶していて、力の抜けた長い手足をぐちゃぐちゃのベッドに横にしたら、気持ちよさそうな寝息が聞こえてようやくほっとして我に返った。まったくなんだってんだ、なんでこんなことになってんだ。こんなことするはずじゃなかった、もっとこう…いろいろ…いや、いろいろじゃなくてそっと…じゃくて…あああ、そうじゃなくてそんなことじゃなくて。混乱しながらザンザスはベッドの上ですうすう眠っているスクアーロを見た。スクアーロはあんなにひどく抱かれたのに、妙に気持ちよさそうな顔をして、すやすや眠っていた。それがまたものすごく可愛かった。可愛くて可愛くて可愛かった。見ているといつまでも見続けていられそうだった。このまま見ているとさすがに寒いので、ザンザスは汚れたままのシーツにもぐりこんで、死んだように眠っているスクアーロの顔を見ることにした。スクアーロにもシーツをかけて、上から羽毛布団をかけた。肩が寒そうだったので抱きよせて、ベッドヘッドに並べた枕に引きずりあげて、至近距離でしげしげと眺めた。目元が赤くなっていて、そんな色のアイラインを引いているように見えた。スクアーロがなんでこんなにかわいいのか、ザンザスには今夜もさっぱりわけがわからないままだった。 [22回]